元彼と私は大学の同級生で、1年付き合った。
卒業してからは全然会ってないし、
当時すでに大学を卒業して十年以上たっていたので、
元彼と付き合いのある知人もいない。
完全な音信不通状態。
だから遺産の相続とか意味が分からなくて、
「え、何これ。サプライズジョークか何か?」
と思ってしまった。
でも弁護士は本物だった。
元彼は事故にあって他界。
遺言で、私が相続人に指定されていたので、
実家経由で連絡を取って来た。
十年以上会ってない元カノを相続人に指定するってことは、
ご家族に不幸があって天涯孤独とかになっていたのか?
気になって弁護士に訊いてみたら、
元彼は結婚していて奥さんも子供もいるそうだ。
じゃあ、そっちに財産残せよ。
私への遺産の額は7桁台後半だった。
弁護士が言うには、遺言状に
「人生の最後くらいは、真に愛する人のために捧げたい」
とか書いてあったんだそうだ。
真に愛する人って、奥さんや子供の立場は?
学生時代に1年付き合っただけで、
卒業後は音信不通の相手に何言ってんの?
遺産はもちろん放棄した。
元彼に何があって、私に財産を残そうとしたかは知らない。
学生時代の知人のつてを辿れば何か分かったかもしれないが、
藪蛇になりそうだったのでそのままにしてある。
ただ、奥さんからウワキ相手認定でもされたようで
(当然と言えば当然)、
わざわざ会いに来て罵られたので、
大変にうっとうしかった。
しんでまで家庭内のごたごたに、
他人を巻き込まないでほしい。