子供の頃から、1のことを10にして話して
(広義では事実、くらいの濃度。そして口がうまい)
周囲から羨ましがられたり、褒められたりしてきた。
成人してからは、食事に対して変な蘊蓄垂れ流したり
(ビシソワーズ飲んで
「この人参のスープ、仕込みがちゃんとできてる」
とか言う)
弱いくせにカッコつけて強い酒飲んで、
間違えた知識を披露したり
(日本酒の粋な飲み方、とかそんなの)
まぁ無害だし…。思っていたが、
私の就職祝いにプレゼントしてくれた万年筆の値段を母に
「あいつ(私)の給料1月分くらい」
と言っていたのを聞いてしまった。
その時は有り難いなぁと素直に感謝してたが
近所の大型書店で諭吉一人未満だったのを発見してしまい、
急に兄が矮小な人物としか思えなくなってしまった。
で、↑の手法を
自身の婚約指輪でもやらかして破談にされてた。
地元の百貨店(三越とかではない)で
10万くらいで買ったノーブランドの指輪を周囲に
「きちんと給料三ヶ月分で、
それなりのブランド店で買った」と触れ回った。
兄はそれなりの会社勤め。
給料三ヶ月分だったら、
だいたいの高級ブランドには手が出る金額。
当然婚約者さんにも兄の発言は知る所となり
(一緒に買いに行ったものの、
ほぼ兄の独断で即買いされたのも不満だったらしい)
「虚言癖は信用できない」的なことをオブラートに包んで
指輪+指輪の金額を返してきたそうだ。
婚約指輪のくだりは、
母がやたらと私の婚約指輪に付いて尋ねるので、
いろいろ答えたところ
(予算とか、ダイヤの質について調べたとか、
2人で相談して決めたとか)
「普通はそうよね…」と、ことの顛末を教えてくれた。
(兄の破談の原因はそこだけじゃないと思うんだが)
本当に、何でつかなくてもいい嘘をつくんだか…。
兄は未だに、なぜ破談になったのか理解できておらず、
かれこれ6年ほど傷心に浸っている。