「俺には好きな女がいたのに！　
親父とお袋に好きでもない女を押しつけられたんだ！
今まで30年間、嫌で嫌でたまらなかった！　
これはぎゃくたいだ！
だから俺が財産を全部もらう権利がある！」

兄ちゃんあんた、結婚するまで、
年齢＝彼女いない歴だったよね。
あんたがあんまりモテないから、
心配した両親がお見合い設定してやったんだよね。
どこに「好きな女」が存在してたんだよ。
見合い相手が嫌だったなら断ればいいじゃんよ。

だけど相手（今の兄嫁）も乗り気だったし、
あんたもグフグフ喜んで結婚したんだよね。
初めは「（兄嫁）に迫られて、
仕方なく結婚してやった俺」を気取ってたけど、
一年もたたないうちに、
腹黒さでは遥かに兄の上をいく兄嫁に、
力いっぱいしりに敷かれてたよね。

ちなみに兄（59歳窓際会社員）、
私（55歳パート会社員）、
妹（52歳大学教授）の三兄妹、
全員既婚子持ち。
父は母より10年ほど前に他界。

父の遺産相続の時にも、兄は
「長男だから財産を全部……」と主張したんだが、
妹に「いつの時代の話だよ」と鼻で笑われ、

さらに「○○家を背負う者が財産を全部……」
と主張して、妹に
「じゃあ、姉ちゃん（私）だ。
お母さんとお父さんの近くに住んで、
介護もやってたんだから」と一蹴され、
ついに「最もすぐれた者が財産を全部……」
と言い出して、

他の親戚に
「じゃあ、（妹）ちゃんね」と失笑された
（親戚も兄のバカさはよく知っている）。

兄も兄嫁ももちろん介護からは逃げた。
妹は遠方の大学で激務だったので、
介護に来ることはできなかったが、
そのぶん金を送ってくれて助かった。
結局、父の遺産は、
母を有料老人ホームに入れる費用を作るために、
三兄妹は相続放棄。

後で、兄は兄嫁に
「なんで放棄でハンコ押したのよ！」
とギューギュー絞められたようだ。

というわけで、今回、母の遺産相続となって、
兄は、父の時の失敗wwwを繰り返すまいと、
兄なりの「切り札」を用意してきて、
それが「俺には好きな女が……」らしい。

でも兄ちゃん、
後ろで兄嫁が憤怒のあまり顔を真っ赤にしてるよ。
ばーかばーか。

でも離婚しない限り遺留分の遺産は妻のもの。

あ、兄が多めに相続して、
先に兄嫁よりも兄がしねば・・・の話しね